ヘーベルハウスの24時間換気

ヘーベルハウスの24時間換気は1種換気と3種換気の二種類から選べます。

この換気システムが意外と悩みどころでで、我が家の建築時は悩みに悩んで変更契約後にお金を払って換気システムの種類を替えてもらいました。変更契約前にも変えたので通算2回変えてます。

選択肢

ヘーベルではパナソニック製の換気システムが標準になっています。逆にそれ以外の換気システムは選択肢にないため選べません。(またはすごいお金がかかるようです。海外製の換気システムを希望しましたが、すごいお金がかかるのと申請?の都合で断念しました。高いし結局考え方が変わったのでそれにしなくて正解でしたが…)

一種換気

一種はセントラル型熱交換式と吸排気パイプファンの2種類から選べます。

熱交換式の換気扇も標準で選べます。値段は1台15万円くらいで、二階建てだと2台載せます。ヘーベルで熱交換式を選ぶと意外と安く取付けができるようです。

吸気、排気の両方にパイプファンを使うタイプで熱交換は行いません。散々悩んで我が家はこれを選びました。細かい理由は後で書きますが、これならあとから3種換気にも変更可能です。

三種換気

三種は各部屋に吸気口があり風呂やトイレから排気するタイプです。ヘーベルでも一般的な住宅でもこれが1番多いのではないでしょうか?

こちらもパナソニック製のパイプファンが使われています。

ダクトレス一種換気を選択しました

我が家の換気システムはダクトレスの一種換気を選びました。吸気を各部屋の壁付けパイプファンから行い、排気をトイレや風呂の換気扇から行うタイプです。

一般的な三種換気の吸気側を換気扇付きにしただけなので、吸気口をファン無しタイプに変更すれば三種換気にすることも可能です。

なぜダクトレスの一種を選んだかというと、いろいろありますが、1番はヘーベルハウスの気密性が悪いということ。

ヘーベルハウスの気密性能では三種だと吸気口から吸気されされない恐れがあるため、電動ファンと壁に空けたパイプから強制的に吸気する1種換気にしました。

吸気ファンを付けるには電源が必要になります。先に配線をしておいてもらえばそれを使う使わないは後から選べますが、配線がない場合はファン付きの吸気口を付けることはできません。三種で考えている方も事前に配線だけ仕込んでおくと後からファン付きの吸気口に変更することが可能です。

ハウスメーカーの換気計画が信用ならならい場合や、ヘーベルハウスのように気密の低い家の場合はあとからいろいろ変更できる工夫をしておくとリカバリーが可能な場合があります。

初めは熱交換式の一種換気を選んでいた

家を建てるにあたり、熱交換式の一種の存在を知ったときは
「なにこれ!すごい快適そうじゃん!採用!」
と思っていました。

気密が低いと意味がない?

熱交換式の換気システムを選ばなかった1つ目の理由は、「気密性が低いから」です。

熱交換式の一種換気は熱交換、湿度交換をして屋内の熱や湿気を効率よく活用して換気できる装置です。カタログ値を見ると80%前後の熱を回収可能と書かれていたりします。それだけ聞くと素晴らしいように思いますが、家の気密が完璧に取れている状態での値なので、気密が低い住宅で熱交換器を使用しても効果が薄いようです。

「効果が微妙なものにお金をかけてもなぁ。。。」と散々悩みましたが、熱交式の一種換気の採用は見送りました。

ネットの高気密高断熱ビルダーの方の情報を見るとC値1.0以下でないと意味がないとの意見もあり、実際の換気・漏気のデータでもC値は1以下、更にはもっと低くないと熱交換換気の効率を最大限に発揮できないようです。

ダクトの汚れが気になる

選ばなかった理由の2つ目は、「ダクトの汚れとメンテナンス」です。

ダクト式の1種換気を選ぶと家中に給気と排気のダクトを張り巡らすことになります。

給気はフィルターを通っているとはいえ、空気中のホコリやゴミ、花粉を100%除去できるフィルターはないでしょう。

捕集率が99.9%のフィルターでも1000個に1個の微粒子は通過することになるので、例えば1分間に1/1000個通過したと仮定すれば1000分で1000個の微粒子が通過することになります。
これを24時間365日回し続けるのでわずかではありますが汚れが室内に供給され続けます。

室内に入ってくればよいのですが、ダクト内にその汚れが堆積していったとしたらどうでしょうか?
汚れが溜まりやすいところには集中的に溜まっていくと思われますので、長い期間でダクトが閉塞したら?カビが生えたら?など色々気になってしまい、ダクトを使用して給気する換気方式は採用しませんでした。

海外では空調室のような大きな部屋があり、そこでエアコンやフィルターのメンテナンスが簡単にできるような構造になっているそうです。

日本の狭い住宅で細いダクトを組み合わせることは、メンテナンスや長期間での使用を考えたときにリスクに感じました。

ヘーベルにダクト式一種換気のダクト内部の清掃方法について確認をしましたが、まだ事例がなく分からないor清掃はしないとのことでした。

機器を製造しているパナソニックにも問い合わせをしてみましたが、パナソニックの一種換気システムの歴史が浅くメンテナンスについては十分なデータがないとのことでした。

世界的?ヨーロッパなと?ではダクト式一種換気が当たり前でメンテナンスもしっかりしているのかもしれないですが、日本ではまだまだ発展途上のように感じました。あと10年、20年すると製品の普及とあわせてメンテナンスの手法も普及してくると思われます。自分の家に複雑な機械式の換気システムを導入するのであれば次に家を建てるときでも良いかなと思いました。その頃にはメンテナンスの手法も確立されていると思いますし。

自分でメンテナンスできるか

選ばなかった3つ目の理由は、「故障時の部品交換、メンテナンスに不安があった」からです。

ダクトレスの壁付けの換気扇であればAmazonやホームセンターで売っているので壊れたときは交換が容易です。仮にパナソニックが潰れて供給が無くなったとしても、別のメーカーから互換性のある部品を購入することができるのでその点も心配ありません。

複雑な機械を買ったときに困るのが、生産中止から一定の期間が過ぎると部品の供給が止まってしまうことです。これは家電でも車でもそうなのですが、できるだけ長く使えるように規格や互換性は注意が必要です。

特に熱交換換気のようなシステムは年々改良されて、部品の形状が変わっていきますので互換性が無くなっていくと予想されます。(そうは言っても住宅などのライフタイムの長い製品は取付の互換があるように設計してくれている場合が多いですが、そこはメーカーの良心、設計思想などいろいろな条件によりますが…)

ヘーベルハウスで選択できるパナソニック製の熱交換換気は故障時に部品の供給がない場合は天井や壁を破壊してユニット交換が必要になる場合があるようです。これもヘーベルとパナソニックに直接確認しまた。

心理的な話なのですが、家を建てるときに払う換気システムのイニシャルコストは多少高くても家自体の価格が高いため見えなくなってしまいますが、10年15年経ってから換気システムが壊れて30万円かかりますと言われたら「えっ?そんな高いの?」と思うでしょう。

換気システムもエアコンや冷蔵庫と同じ家電の1つなので10年を過ぎると交換時期となります。日々の快適ももちろん大切なのですが、その快適は永遠ではなくメンテナンスが必要です。理想は安価で簡単に交換できて快適な換気システムです。私が今回家を建てるにあたり、調べた限りでは、早い安い上手い!みたいな完璧な換気システムは見当たりませんでした。

冬の寒さ

3種換気で気になるのが冬場の冷気の侵入です。

この点については換気扇の位置をエアコンの近くに持ってくるなど、冷気と暖気を上手く混ぜることができると大して気にならなくなります。

寝室でも換気扇の下で寝ていますが、換気扇の上にエアコンがあるため丁度良い具合に冷気が中和されて寒さを感じることはほとんどありません。

むしろアルミ樹脂複合サッシのサッシ部の冷えによるコールドドラフトでヒンヤリした空気が足下を流れていく方がストレスに感じます。別の記事でも書いていますが、ヘーベルハウスで樹脂窓が選べていたら寒さについての不満はかなり少なくなっていたと思います。

換気扇の音

3種換気との大きな違いは吸気側に電動ファン使っていることです。当たり前ですがファンを使っているので常にファンの音がしています。

この辺は個人差がかなりあると思いますが、私はファンの音があっても大して気にならないので、リビングでも寝室でもファンの音に関する問題は特にありません。

寝る前に「ファンの音がするなー」っと思っていると、いつの間にか寝ています。適度な雑音は眠気を誘うのかもしれないですね笑

気になってしまう方は、気になってまったく寝れない、集中できない、なんてこともあると思いますので換気システムを選ぶ前に事前にご確認することをお勧めします。

さいごに

換気は家の性能によって選択肢が大きく変わってきます。ゴテゴテの装備で快適さを追求するのもありですし、シンプルにイニシャルコストとメンテナンスコストを下げる手法もありです。個人の好みや考え方の違いで正解はないと思います。

要は自分が何を優先するかが重要で、そこと家の性能が明確になっていれば自ずとどのような換気システムにするか決まってきます。

ヘーベルハウスや鉄骨系メーカーには気密性をもっと頑張って欲しいところです。できないことはないと思うんですが、やはりコストの問題なんでしょうかね…

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